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木村拓哉と二宮和也のW主演映画は平成の「用心棒」になれるか?

木村拓哉と二宮和也のW主演映画は平成の「用心棒」になれるか?

ジャニーズ事務所、ひいては国内男性芸能人の2大スターが共演する映画「検察側の罪人」が8月24日より公開される。

まだ映画を見ていないのだが、予告や特番など世間の風評を見る限り、どうも木村拓哉に対する風当たりが強いような気がする。

自分自身は木村拓哉の熱心なファンではないが、個人的に木村拓哉の世間一般での捉えられ方に疑問を感じるところもあるので、まだ映画を見ていないのだがちょっと記しておこうと思う。

稀代の大根役者?「木村拓哉」

木村拓哉の演技については、世間一般ではあまり高い評価を得られていない。よく言われるのは、どの作品においても役を演じる前に「木村拓哉」であり、木村拓哉の自己主張が「ウザい」という意見だ。

対して、今回の映画で共演する二宮和也の演技に対する世間の評価は高い。嵐というアイドルグループに所属していながら、クリントイーストウッドや山田洋次など実力派の監督からオファーを受け、実際に数々の映画賞を受賞している名実ともに「名優」と呼ばれるタレントだ。

この二人のW主演となる「検察側の罪人」は、公開される前から二宮和也への評価が優位なようにも感じるが、簡単に「キムタクに比べるとニノの演技は凄いよね〜」と評してしまうのはちょっと待って欲しい。

アイドルスターW主演に見る名画「用心棒」の構図

今回の「木村拓哉 vs 二宮和也」のWスターによる共演の構図を見ると、巨匠黒澤明の名作「用心棒」を彷彿とさせるものがある。

イマドキの人は「三船敏郎」といえば、黒澤明監督作品において何本も主役を務め、世界的に知られた名俳優という認識であろうが、在命中は散々「大根役者」と叩かれた俳優である。

実際、三船敏郎は役柄に合わせてキャラクターを変えられる器用な役者ではない。どの作品においても「三船敏郎」であり続けたし、そんな三船敏郎の魅力を最大限に引き出し活かせる映画監督は黒澤明以外にはいなかった。

対して、用心棒で共演した仲代達矢は名門劇団出身の天才的な役者であり、黒澤明の他にも日本映画を代表する名だたる監督たちの作品に出演し、それぞれの作品に合った役柄を魅力的に演じ多くの映画賞に輝いている。

この「役者」としての在り方の異なる二人の共演は、その当時たいそう話題となったという。

結果、軍配はどちらか?と簡単に判断できるものではないが、用心棒において三船敏郎は最大限に「三船敏郎」としての存在感をスクリーンいっぱいに表していたし、拳銃使いの敵役を務めた仲代達矢は、そんな三船敏郎と対峙してもひけを取らない輝きを放っていた。

現代映画界の矮小化を浮き彫りにする「木村拓哉」の存在

三船敏郎に限らず、昭和の名優にはどの作品でも同じ存在感を示してしまう「大根役者」タイプが多い。つまりはその映画作品の「看板」を背負うことができる「看板役者」と言われる”スター”である。お客さんの大半はその映画作品を見に来るのではなく、スクリーンで活躍するその看板役者を観に来るのである。

高倉健も勝新太郎も、そういった「看板役者」だ。彼らは作品によってキャラクターを大きく変えることはない。それでも、監督をはじめ製作者は一丸となって看板役者の魅力を引き出し、世に名画と言われる作品を残してきた。

最近は、こういった「看板役者」の様な役者は存在しない。今をトキメク菅田将暉にしろ小栗旬にしろ山田孝之にしろ、どちらかといえば役に合わせて器用に演技を作り上げるタイプの役者である。往年のスターの様な「看板役者」と呼べる存在感を示せる役者は木村拓哉と福山雅治くらいなものではないだろうか。

製作者側からすれば、作品に合わせた演技やキャラクターの細かいチューニングができる役者の方が断然使いやすい。演者だって看板役者として背負うほどの存在感を示すより、作品に合わせて役を演じる方がメンタル的には断然楽だろう。

この流れは日本だけに限ったことではない。海外においてもかつてのスター俳優は影を潜め、今では演技の上手い「役者」が主役を務め評価を得る様になっている。

今の世の中に木村拓哉の様な「看板を背負える俳優」も、その様なスターの魅力を活かしきれる監督もいなくなってしまったのかもしれない。

そんなことを踏まえて、この2大スター共演作品「検察側の罪人」を観ると、少し違った楽しみ方ができるのではないだろうか。

(ちょろっと@遊び人)

 

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