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大江千里のセルフカバーアルバムが中高年を痺れさせる訳

大江千里のセルフカバーアルバムが中高年を痺れさせる訳

9月5日に”あの”大江千里のセルフカバーアルバムがリリースされる。

大江千里の名前を聞いて、すぐにいくつかの代表曲のタイトルが浮かぶ世代とはどのくらいだろうか?40代?50代?30代で大江千里を知っている人はグンと少なくなる気がする。

大江千里といえば、80年代初頭にデビューし90年代の終わりくらいまで活躍していたJ-POPシンガーソングライターである。

バブル世代の星野源的アーティスト

 

どのくらい人気があったかというと、控えめに言って秦基博や高橋優くらいには人気あがあった。音楽的な系譜では、槇原敬之が大江千里のフォロワーと言えるかもしれない。

正確に比べる資料もないので主観的な意見ではあるが、大江千里はドラマや映画にもよく出ていたこともあり現在で言えば、人気的にも、そのカッコいいんだか悪いんだかわからないキャラクター的にも、星野源が近しいイメージであるかもしれない。

そんな大江千里であるが、2000年を境にその名をメディアで見かけることも少なくなってから10数年経ち、彼がアメリカでジャズピアニストに転向し活動していることが、チラホラとニュースになっていた。

バブル世代のJ-POPは激しく劣化する?

80年代にデビューし、90年代を越え今も一線で活躍しているソロアーティストは非常に少い。

80年代から90年代といえばバブルど真ん中の時代であり、その頃持て囃された音楽はどこか浮ついたテイストのものが多く、バブル後に人々の生活も大きく変わったためか、今の時代に聴くと「懐メロ感」が激しい楽曲が多い。

 

山下達郎や松任谷由実、中島みゆきなど、案外70年代から活動しているソロアーティストの作品の方が、世代を超えて受け入れられている気がする。

そんなバブル世代の代表的なアーティストである大江千里が、あくまでも「ジャズピアニスト」として、自身の往年のヒットソングをカバーしたアルバム「Boy & Girls」が9月5日にリリースされる。

かつての若者に向けた大江千里のジャズピアノアルバム

このアルバムは、残念ながら”新しいファン”に向けてリリースされたものではなく、かつての大江千里の音楽を愛していた人たち。今では中高年になった、バブル期を謳歌していた若者たちに向けた作品と言えるだろう。

昔、友人や彼女を乗せたクルマのカーステレオで聴いた、あの大江千里の軽快なポップソングが、大江千里自身の手によって見事にジャズアレンジされ収められている。

その静かに揺蕩うジャズフィーリングの中に、かつてよく聴いたヒットソングのフレーズが絶妙に織り交ぜられたセルフカバー作品は、若かりし日を思い起こし懐かしむための絶好のBGMとなるだろう。

大江千里のジャズピアノ

大江千里を全く知らない世代が、このCDを聴いてどう感じるのか想像がつかない。ジャズピアノの作品としてはキャッチーに思えるだろうか。昔よく聴いた曲のフレーズは聴き取れるが、大江千里のピアノはかなり本格的に「JAZZ」である。

 

最近、アイドルへの楽曲提供などで認知を広げている元PE’Z、東京事変のピアニスト”H ZETT M“はJAZZフィーリングのピアニストとして有名だが、大江千里のピアノはそれよりもだいぶ落ち着いたもので、本場感がある。

大江千里のセルフカバーが示す郷愁

大江千里が自身の楽曲をセルフカバーしたJAZZピアノ作品は、喫茶店などでかかっているJ-POPの安っぽいピアノバージョンなどとは違う。それは、かつて大江千里の音楽を愛し、大江千里がジャズピアニストになるまでの長い時間、共に経年し今は黄昏時を迎えるファンに向けた”あの時代”への郷愁を表しているからかもしれない。

その感覚はまるで、映画「カサブランカ」で流れる”As Time Goes By”の様に、特定の時代を生きた人に、一種のノスタルジアを感じさせる。

もしあなたが”あの時代”に生き、大江千里のPOPソングに思い出があるなら、ぜひ一度聴いてみてもらいたい。大江千里のピアノにノスタルジアを感じるのは、我々の世代だけに与えられた嗜好であるだろうから。

(ちょろっと@遊び人)

 

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