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After the Rainが挑む「ニコ動」出身アーティストへの偏見

After the Rainが挑む「ニコ動」出身アーティストへの偏見

知ってる人は知っているが、知らない人は全く知らない、極閉鎖的ファン層に支えられているAfter the Rainの約2年5カ月ぶりとなる2ndフルアルバム「イザナワレトラベラー」が9月5日にリリースとなる。

After the Rainはニコニコ動画において絶大な支持を受ける歌い手”そらる”と”まふまふ”による2人組ボーカルユニットだ。このグループについての説明を聞くだけで、音楽好きを自称する人たちの何割かは拒絶反応を示すだろう。

つまりは「ネットに”歌ってみた”とかいって自分のカラオケ動画アップして内輪ウケで喜んでる人種」という先入観を持ってしまう人はある程度居る。実際にニコニコ動画やYoutube上で”歌い手”として活動している人の中には、プロ顔負けの人もいれば、聴くに耐えないクオリティの人も居るのは事実だ。

メジャーで差別されるニコニコ動画出身アーティスト

とはいえ、ニコニコ動画を中心に動画配信を利用した音楽活動はすでに一般化され、After the Rainをはじめとした数多くのアーティストがメジャーレーベルと契約し作品を世に出して居る。

 

こうなると、もはや”差別”と呼んでも良いだろうが、音楽業界において「ニコニコ動画出身」というだけで、その存在が軽んじられる事があるそうだ。これは今大ブレイク中の米津玄師がインタビューで語っているので実際に”そういう空気”は存在するのだろう。

それでも米津玄師をはじめ、DAOKOやmajiko、Reol、サイダーガール、ヒトリエといったたくさんのアーティストたちが、ニコニコ動画での支持を足がかりにしてメジャーミュージックシーンにデビューしている。

 

しかし、それらのニコニコ動画出身アーティストと、After the Rainの作り出す音楽は似ているようで決定的に違う。

その違いはニコニコ動画文化圏の内側にいるか外側にいるかという部分だと考える。

After the Rainが守り続けるニコニコ動画文化圏

After the Rainの作品はメジャーレーベルからリリースされているが、そのターゲットはあくまでもマイナーなニコニコ動画文化圏を受け入れる人に向いている。

After the Rainは自身のMVやインタビューなどでも完全に顔を晒すことはなく、パブリックイメージの殆どは自身を投影した”イラスト”である。

 

メジャーなミュージックシーンにおいて自身の姿を晒さないアーティストも増えてきたが、アーティストのイメージをアニメ絵で代用するのはプロモーションとして明らかに”マイナス”に作用する。

ニコニコ動画の歌い手動画やボカロ動画に慣れている人には「普通の事」でも、一般のTVメディアや雑誌を相手にするメジャーなミュージックシーンでは、まだまだ受け入れられないスタイルであるのだ。

それでもAfter the Rainはニコニコ動画で作品を発表していたスタイルを踏襲し、活動を続けている。

After the Rainの特異な音楽性

その作品も、いかにもニコニコ動画で聴けるようなテイストを持った楽曲で、アルバムではバラエティに富んだ楽曲が収められているが、どの曲も一様にキャッチーで良くも悪くも「ニコ動っぽい」楽曲である。

 

一般に知られた男性デュオであれば、ゆずやコブクロ、スキマスイッチといった90年代から活躍しているアーティストの名前が思い浮かぶが、After the Rainが彼らのように一般に広く受け入れられ、世代を超えてカラオケでその歌が歌われるというのを想像することが出来ない。

だからといって、彼らの作る作品のレベルが低いという査証にはならないことは多くの人に理解してほしいところだ。実際、ちゃんと聴いてもらえば分かるが二人の声質はそれぞれに個性を持ち、曲調に合わせてパート分けされ非常にトリッキーな楽曲に仕上がっている。

After the Rainの挑戦

彼らが例えばしっかり顔出しして、”そらる”と”まふまふ”といういかにもハンドルネーム的な名前で活動していなかったのなら、世間ではどう捉えられていただろうか?

偏見の心でもって、音楽を捉えるほどの愚行はない。

米津玄師やDAOKOなど多くのニコニコ動画出身アーティストが、メジャーで勝負するために捨ててしまった「ニコニコ動画文化」と、そこで支えてくれた自分たちのファンをしっかり抱えたまま、メジャーにどこまで認められるのか?

After the Rainはそんな挑戦をしているのかもしれない。

(ちょろっと@遊び人)

 

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