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BiSHが切り開くオルタナティブ・アイドルの未来

BiSHが切り開くオルタナティブ・アイドルの未来

2015年以降、テレビやメディアで取り上げられることは少なくても、ライブやイベントでのパフォーマンスが噂を呼び、熱狂的なファンの支持を拡大していく「オルタナティブ・アイドル」と呼べるグループが増えている。

そんな「オルタナティブ・アイドル」の雄と言える6人組のアイドルグループが”楽器を持たないパンクバンド”というキャッチフレーズを抱え活動をしているBiSHだ。

そのBiSHの屋台骨でありエースである二人の主要メンバー”セントチヒロ・チッチ”と”アイナ・ジ・エンド”が9月19日、両A面シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」でソロデビューを飾る。

このソロデビューシングルはBiSHのツートップである二人のアーティスト性を垣間見せる内容となっており、次世代を担うオルタナティブ・アイドルに絶対的に求められる”メンバー自身の主体性”を表すものとなっている。

 

オルタナティブ・アイドルの定義とは

現在、多様化したアイドルムーブメントにおいて「オルタナティブ・アイドル」という言葉もチラホラと聞かれるようになってきているが、その意味することろはまだ不明瞭である。

単純にオルタナティブな楽曲を歌うアイドルを指している場合もあるわけだが、ここいう「オルタナティブ・アイドル」とは、オルタナティブ・ロックに相通じる背景とスタンスを示すアイドルグループのことを指している。

オルタナティブ・ロックとは

大手レコード会社主導の商業主義的な産業ロックやポピュラー音楽とは一線を画し、時代の流れに捕われない普遍的な価値を追い求める精神や、前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つ音楽シーンのことである。
オルタナティブ・ロック」(2018年9月12日)『ウィキペディア日本語版』。

 

これを現在のアイドルムーブメントに当てはめると「オルタナティブ・アイドル」と呼ぶべきアイドルの姿が見えてくるだろう。

レコード会社や事務所主導で”売れるため”に水商売紛いの握手会や接触イベントでファンを集める「商業アイドル」とは一線を画し、普遍的なアイドル本来のあるべき姿である、歌やパフォーマンスを含めたアーティスティックな活動で支持を広げようとしている前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つアイドル。

ぶっちゃけて言えば、クソCDを握手券替わりに売りつけてランキングを操作し、スキャンダルも炎上も「売れたもん勝ち」とばかりに芸の無いタレントを使い捨てるAKBグループみたいな売り方をしないアイドルのことだ。

BiSHメンバーのソロワークに見る将来性

BiSHは”楽器を持たないパンクバンド”を標榜しながらも、メンバーと運営はそれぞれにアーティスティックな主体性を持ってBiSHというグループにしかできないパフォーマンスをファンに提供し、広義の意味での「アイドル」を体現していることは、他の多くの”オルタナティブ・アイドル”の指針となっているように思う。

 

そんなBiSHのオリジナルメンバーであり、グループを牽引する二人のメンバーによるソロワークは、BiSHというグループの持つポテンシャルをより深く知るとともに、この先BiSHが進もうとする未来を予感させるものとなっている。

現在、国内ミュージックシーンにおいて次世代を担う「歌姫」の呼び名も高いアイナ・ジ・エンドは、今回のソロワークにおいて自身の作詞作曲による「きえないで」をドロップしている。

アイナ・ジ・エンドは一聴してわかる通り「聴く者を惹きつける」歌声を持つ稀有なボーカリストだ。数多あるアイドルグループの中で歌の上手いアイドルは多くいるが、聴く者を惹きつける歌声を持つアイドル、シンガーは非常に少ない。

その歌声の魅力は業界内でも高く評価されており、BiSHメンバーの中でもグループ外のプロジェクトでの活動が最も多い。

有名なところでは、今年あのMONDO GROSSOの楽曲にソロとして参加した「偽りのシンパシー」は、TVドラマの挿入歌としても起用されスマッシュヒットとなった。

 

そんなアイナ・ジ・エンドは今回、自身で作詞作曲した楽曲を亀田誠治プロデュースによりリリースした。

楽曲自体はアイナ・ジ・エンドの歌声が十分に堪能できるシンプルなバラード曲で、BiSHの楽曲を多く手がける松隈ケンタのテイストとは全く異なりながらも、その楽曲のクオリティは引けを取らないものがあり、今後どの様な形でソングライティング活動を続けていくのか、またBiSHの楽曲に影響していく可能性も含め将来性を感じさせる作品となっている。

そして、今回揃ってソロデビューとなったセントチヒロ・チッチの作品は、自身が熱狂的なファンである銀杏BOYZのナンバー「夜王子と月の姫」を若手人気バールズバンド”リーガルリリー”の演奏をバックに、セントチヒロ・チッチらしい芯の強いしっかりした歌声でストレートに歌い上げている。

BiSHとしての活動では、ともすればクセの強いアイナ・ジ・エンドの歌声に注目が集まりがちだが、デビュー当時からセントチヒロ・チッチのしっかりとした歌声がBiSHの楽曲クオリティを支えてきたのは確かだ。アイナ・ジ・エンドの歌声は様々なコンポーザーの作品の上で自由自在に輝きを放つが、セントチヒロ・チッチの歌声と合わさることで、その輝きは倍増されBiSHというグループを唯一無二のグループにしている様に思う。

 

メンバーソロが示すBiSHのポテンシャル

どちらのソロデビュー作もそれぞれの個性を十分に表したものとなっており、その個性の強さはBiSHというグループのポテンシャルに直結している。

現在、多くの所属アイドルを抱えたプロダクション「WACK」の看板アイドルとして、ややお座なりなプロモーション体制で活動している様にも感じるBiSHであるが、そのポテンシャルはまだまだ計り知れないものがある。

オルタナティブ・アイドルが広がりを見せ、その存在が確立されつつある中で、ムーブメントを牽引するBiSHがこれからどんな活躍を見せてくれるのか、他のメンバーのソロ活動も含めて非常に楽しみである。

(ちょろっと@遊び人)

 

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