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ももクロの”終わり”をフルスイングで打ち砕く「原点」

ももクロの”終わり”をフルスイングで打ち砕く「原点」

10週年を迎え新たな歴史を歩みだすための試練に苦悩する「ももクロ」が、久々に会心の一撃となるだろうシングル「あんた飛ばしすぎ!!」をリリースした。

このシングルは “5ヶ月連続新曲配信” の第二弾として、事前予告なしでいきなりドロップされファンの間で話題となっている。

くしくも元モーニング娘。の吉澤ひとみ容疑者による飲酒ひき逃げ事件が世間を騒がせている中、「あんた飛ばしすぎ!!」という2011年にリリースされたアンダーグランドパンクバンドGARLICBOYSの楽曲のカバーというかふざけた「替え歌」を、実にももクロらしく”フルスイング”でやり切っている。

いやもうね、あんなの聴かされたらステージでのパフォーマンスが見たくてたまらなくなる。

日本屈指の動員を誇る「ライブアイドルの帝王」の底力を見せつける激アツチューンである。

 

”飛ばしすぎ”なももクロが感じさせる”終わり”

今年、結成10週年を迎えたももクロであるが、年明け早々エースメンバーであった有安杏果を失い、メモリアルイヤーを盛り上げるイベントやライブを重ねる中で、ももクロの4人はグループのバランスを整える為に試行錯誤を繰り返していた。

今まで5人で均整を取っていたバランスは大きく崩れ、4人がそれぞれにバランスを取ろうと藻掻く姿がありありと見て取れたが、4人は共にアイドル新時代を切り開いた「ももクロ」のメンバーであることに自負とプライドを少なからず持っているのだろう。

今まで乗り越えた苦難を回想し「メンバーひとり抜けただけで”ももクロ”を終わらせない。」という気概や意気込みは時に空々しく感じられ、余計に”ももクロ”が作り上げた時代の終りを想わせるものがあった。

 

ももクロが過ごしてきたこの8ヶ月あまりは、正に今回のシングルタイトル「あんた飛ばしすぎ!!」と感じられる期間だったように思う。

ももクロが切り開いた”アイドル新時代”の扉

正直、個人的に「ももクロ」は終わっていた。

新体制のももクロはどうしてもバランスを欠いているように思え、新体制になってからリリースされた10周年記念楽曲「クローバーとダイヤモンド」も“5ヶ月連続新曲配信” の第一弾「Re:Story」も”新生ももクロ”を背景とした良作であったが、過去の苦労によって掴んだ仲間を大切に想う気持ちをことさらに強調し「新しいももクロ」を作り上げようとする姿勢がどうにも馴染めなかった。

 

ももクロは確かにアイドルの新時代を切り開いた。テレビの歌番組には呼ばれず、冠番組はド深夜にひとつだけでCMタイアップもさして多くはない。

一昔前なら「テレビに出られない」=「売れないアイドル」であるはずが、テレビ・メディアへの露出は少いまま紅白歌合戦に連続出場し「テレビ、メディアに引っ張りだこ」でなくても人気も知名度も手にして国立競技場や日本各地のドームを満杯にし、多くのアイドルグループの目標となるビッグ・アイドルに成り得ることを体現した。

このサイトでも紹介したBiSHやPassCodeといった”オルタナティブ・アイドル”ムーブメントの扉を開いたのは、間違いなくももクロであった。

関連記事→「BiSHが切り開くオルタナティブ・アイドルの未来

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今では数多のアイドルグループが、テレビ出演やメディアへの掲載だけを目標とせず、かつてももクロが家電量販店の店先を回って支持を拡げたのと同じように、地道なパフォーマンスによって自分たちのファンと関係を結び、支持を拡げるべく活動している。

だから、時代を切り開いたももクロは、もう自分たちの熱狂的なファンに支えられながら伝説的グループとして、ももクロらしい楽曲とパフォーマンスを提供して末永く活動していけばいい。そんな風に勝手に思い込んでいた。

新生ももクロが魅せる「ももクロ」の原点

ニューリリースの「あんた飛ばしすぎ!!」は、そんなニワカの勝手な思い込みを打ち砕くのに充分な破壊力のあるナンバーだ。

この曲は全く”ウリ”を意識していない。こんなふざけた替え歌が売れるわけないだろう。だがしかし、完全に自分たちのファンに向けたウチワ受けの記念シングルか?というとそうでもない。このカバーはオリジナルであるGARLICBOYSを知っているコアなパンクファンに確実にリーチする。

彼女たちはデビュー時からそうやって、多くの”非アイドルファン”を巻き込んできたのだ。

初期であればツヨクツヨクやwords of the mindなど聞き馴染みのある曲を自分たちの活動姿勢に投影させカバーし、BABYMETALが支持を集め始める2012年には、メタル帝王オージー・オズボーンと彼の在籍するヘヴィメタルの原点Black Sabbathを大胆にオマージュした楽曲を発表しメタルファンにアピールした。

 

遠慮なく狩りにいくももクロのパンク精神

パンクロック+アイドルといえばオルタナティブ・アイドルを代表するグループBiSHの代名詞ともいえる看板であるが、ももクロはコアなパンクナンバーの替え歌でももクロ流の「パンク」を体現し、なんの遠慮もなくフルスイングでブチ抜いている。

存分に格好つけて「ちんこ」だの「おっぱい」だのと歌い破天荒な”パンク・アイドル”を気取っていたら、レジェンドに本気でブチかまされたBiSHはとんだ災難である。

 

BiSHは文句なくカッコいい。楽曲もメンバーもスタイリッシュに尖っていて、グッズもオシャレ気で人気があるのも充分に納得できる。

でも同時に「パンク」ってそんなんだったっけ?とは思うのだ。

もっと原始的な真っ直ぐさと無骨さ、荒々しく無節操で剥き出しなハングリー精神とか「がむしゃら感」があってもいいんじゃないだろうか、そうももクロのように。

ももクロは今回のパンクナンバーのカバーで突然に「パンク精神」を示したのではなく、元々ももクロの中にパンク性はあったのだ。その攻撃力を持っていたからこそサマソニやオズフェスから中学校の体育館といった”アウェー”のステージで多くのファンを掴んできたのだ。

今回のカバー曲で初めてももクロに触れたパンクロックファン、非アイドルファンの方は是非ももクロの新しいファンになって欲しい。それはきっと、新しい音楽に触れるきっかけになるはずだ。

(ちょろっと@遊び人)

 

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