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Google Playに25,000曲アップロードした結果

Google Playに25,000曲アップロードした結果

「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」

持っているCDの枚数や読んだ本の冊数、観た映画の本数などでマウントを取りたがる人がいるが、本当にナンセンスだと思う。

だから今回の記事は「俺こんなに音楽聴いてるんだぜ」という自慢がしたいわけではないことは初めに述べておきたい。

今、Google Play Musicを使ったわけ

知人からGoogle Play Musicの利用を勧められた。

職業柄、基本的にオンラインサービスが恒久的なものでないことは知っているし、特にGoogleなどは、今まで様々なサービスを立ち上げては廃止してきた前例があるので、Google Playに関しても知ってはいたが利用するつもりはなかった。

ただ、Google Play Musicは50,000曲まで”無料”でアップロードできてオンデマンドで自分が所有している音楽を聴ける。ということなので、25,000曲以上、160GBに及ぶローカルディスクのiTunesライブラリにある楽曲データをアップロードしてみることにした。

この25,000曲というのは、1年365日、24時間違う曲を流し続けてもまだ余る量である。

1アカウント50,000曲の重さ

おなじGoogleのストレージサービス”Google Drive”は無料枠では15GBが上限なので、それと比べれば50,000曲のアップロードとはかなりの太っ腹である。全人類とまではいかなくても、全世界のGoogle利用者がGoogle Playに大量の音楽データをアップロードしたらストレージの維持も難しくなるだろう。

なのでアップロードができたからといって、ローカルにある音楽データを消すことはできないのだが、25,000曲アップロードしてみるとチョットした発見もある。

すでに多くの問題点が挙げられているが、Google Play Musicはシステム上に様々な不備があり、一発で大量の音楽データをアップロードすることが出来ず、25,000曲をアップロードするのに約1ヶ月かかった。

iTuneに比べれば使い勝手はすこぶる悪いが、iTuneの致命的な欠陥である「曲が途中で飛んでしまう」という問題は解決された。

インスタントミックスがおもしろい

さて、このGoogle Play Musicの最大の特徴といえば、なんといっても「インスタントミックス」であろう。この機能はなかなか凄い。

インスタントミックスというのは任意の1曲を起点に”似たような曲”をライブラリから選び出し勝手にセットリストを作ってくれる機能だ。テキストにすると一見簡単に思えるが、ライブラリには様々なジャンルの曲が25,000曲突っ込んである。

そこから特定の1曲を軸にして、その時の気分でプレイリストを作成するのは自分でやっても相当労力がいる。自分はアルバム主義なので好きなアーティストの作品をアルバム単位で所有している。そうするとBUMP OF CHICKENの隠しトラックとか1回くらいしか聴いてないという楽曲もあるのだ。

インスタントミックスを使うと、そんなライブラリからほんとうに適当な曲を選曲してくれる。

Google Play の中の人

例えば以下のリストは私立恵比寿中学のマニアックな曲「買い物しようと町田へ」とAC/DCのCM起用でおなじみな「Thunderstuck」から始まるミックスリストの比較だ。

単純に”似た曲”を並べているわけではないことは分かるだろう。

エビ中から始まるリストでは、ももクロからチームしゃちほこ、有安杏果、高城れになどメンバーソロ曲まで”スタダアイドル”が並び、エビ中とステージ共演したBiSHの曲やカバーした椎名林檎の曲などが入っている。

かたやAC/DCのリストの方はMetallicaからAerosmith、Van Halen、Ozzy、Led Zeppelinなど往年のヘヴィメタルアーティストの”代表的な曲”が並ぶ。アルバム単位で所有しているから同じアーティストでも、もっとマニアックな曲はたくさんあるのだがAC/DCのThunderstuck並の”おなじみの曲”を選んでいるところがすごい。

何度も言うがライブラリには25,000曲あるのだ。6割くらいは洋楽で、アイドルソングは全体の1割程度しか入っていない。その中から、絶妙な選曲を”毎回”してくる「インスタントミックス」は、まるで中に人が居て選曲しているのではないか?と思うほどだ。

インスタントミックスも好みがある

そんなインスタントミックスを楽しんでいるわけだが、毎回インスタントミックスによる選曲でプレイしているうちに、あることに気がついた。

なんと!Googleの中の人にも好みがあるのだ。起点となる曲が洋楽なら洋楽寄りに、邦楽なら邦楽寄りに選曲されるのだが、邦楽寄りのリストだとGoogleの中の人はUNISON SQUARE GARDENを挟みがちになる。

 

洋楽のミックスには今のところ目立った傾向は見られないが、そのうち何か”偏り”に気付くかもしれない。

便利さの裏にある危険

自分はGoogle Play Musicを無料枠で利用しているので、自分でアップロードしたライブラリの中で楽しんでいるだけだが、毎月わずかなお金を払えば3,500万曲以上が聞き放題となる。

自前の25,000曲など取るに足らない数の音楽を聴く事が出来るのだ。そんな数の楽曲の中から選び出されるインスタントミックスはとてもすばらしい物になるだろう。と、多くの人が思うだろう。たぶん、Googleの中の人もそれを信じているのだろう。

でもね、Googleに利用料を払ってインスタントミックスしても、自分が昔宅録したデモソングは含まれることはない。今はもうないアマチュアバンドのCDから取り込んだ楽曲がミックスされることはない。

それはどういうことか?Googleに認知された楽曲だけがGoogle Playのミックスに選ばれると言うことだ。つまり、Google Playだけで音楽を楽しむ人はGoogleが”選んだ”アーティストの曲を聴いているのだ。

システム依存の果てにあるもの

「音楽は自由だ」と誰もが言う。そう、鼻歌だろうがなんだろうが誰でも音楽を作ることはできる。しかし、便利さに頼りシステムに依存すればそこに”偏り”は生まれる。

Google Playがさらに拡がり多くの人が利用するようになれば「沢山の人に自分の楽曲を聞かせたい!」と思うアーティスト達は、どうしたら「インスタントミックス」に自分の曲が選ばれるようになるか?ということを模索し始めるだろう。

検索順位の上位掲示を狙う施策であるSEO(Search Engine Optimization)はすでに一般化している。同じように、インスタントミックスに選ばれやすい楽曲を作る施策IMO(Instant mix Optimization)なんてものも生まれるだろう。

すでにCDは”握手券”や”トレカ”となりその価値を無くしている。今流行のクラウドミュージックもCD販売同様、小賢しいマーケティングテクニックが入り込む余地がある。ということは多くの人に認識してもらいたいと思う。

(ちょろっと@遊び人)

 

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